1997~1998の1年間、石留め技術研修でイタリア/ヴァレンツァで生活していました。
その時の作業内容を簡単にまとめてみました。当時はデジカメは普及していなかったので画像が不鮮明ではありますがご参考までに...
■イタリア/ヴァレンツァでの生活編はこちら
■作業編■
当時勤めていた会社から、イタリア/ヴァレンツァのBIGLIA GIUSEPPE社にて洋彫り石留め研修をさせていただく機会をいただきました。
イタリア語は日本で半年間勉強したのですが、はじめはまともに喋れる状態ではなくこんなことで1年間大丈夫だろうかと、正直大変不安でした。
(練習用手板:洋白)
上の画像右側がオーナーのBIGLIA GIUSEPPE氏で、ヴァレンツァ州立ジュエリー学校の教授をされていました。
洋彫りはタガネや爪の作り方が和彫りとは違うため最初はわからないことばかりでしたが、彼は仕事を大変丁寧に教えて下さいました。
きちんとした仕事ができるようになるまでは
〇タガネ作り
〇直線彫り
〇曲線彫り
〇石を留めるための爪作り
を2ヶ月間毎日作業しました。
上のリングは2ヶ月の練習を終え「やってみろ」と渡された初めての仕事で、とても緊張したものです...
(リング:K18・ダイヤモンド)
(イヤリング:Pt900・K18)
石留めする時はしっかりとヤニ棒に固定します。日本の彫りとは違い、洋彫りはかなり握力を使います。
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キャスト上がりリングは湯道処理後、ペーパー仕上げをしてダイヤモンドメレーを彫り留め。
画像のリングは量産品だったので50本近く留めました。
(リング:K18WG・ダイヤモンド) -
最初は決められた幅をキレイに彫るのが大変でしたが、仕事の数をこなすうちに次第に手も慣れ問題なく仕事ができるようになりました。
トップ:K18WG・DIA
ピアス:K18・K18WG・DIA
イヤリング:K18WG・DIA
ピアス:K18WG・DIA
彫る部分を残し、リング全体をヤニ棒にしっかり固定したらまわりの地金を彫りくずして飾りや爪を形成します。
(リング:K18WG)
上のリングの中石枠がフクリンのタイプでダイヤメレーを留めたところです。
(リング:K18WG・ダイヤモンド)
フクリン留め・レール留めは彫りで使用するタガネを使うため、まずは難しい彫り留めをマスターしてから...という理由で1年のほとんどは彫り留めしてました。
(リング:K18WG・ダイヤモンド)
そのかいあってフクリン留め・レール留め、そしてヴァレンツァで一番やりたかったパヴェも習得することができました!
リング:K18・K18WG・ダイヤモンド
ネックレス:K18・K18WG・ダイヤモンド
リング:K18WG・ダイヤモンド
リング:K18WG・ダイヤモンド
パヴェ留を教わってから初めてやったパヴェの商品です。
(リング:K18WG・ダイヤモンド)
上のパヴェリングとのセットジュエリーです。
画像は彫り終えてヤニから出した状態。
(ピアス:K18WG・ダイヤモンド)
3点は同じ原型のピアス。
下穴の開け方・メレーの数・彫り方で、幾通りものデザインの商品に...
(ピアス:K18WG・ダイヤモンド)
パヴェ留め。メレーのテーブル面の向きに気をつけて膨らみをキレイに出すのが大変でした。
(ピアス:K18WG・K18・ダイヤモンド)
パヴェ留め。
ドルフィンリングの中石(エメ)はフクリン留め。
ハートをモチーフにした商品がここでは多かった気がします。
リング:K18・K18WG・エメ・DIA
トップ:K18・K18WG・DIA
リング:K18WG・DIA
ピアス:K18WG・DIA -
パヴェ留め。
リング:K18・K18WG・ダイヤモンド
リング:K18WG・ダイヤモンド
リング:K18・K18WG・ピンクG・DIA
ピンキーリング:K18WG・DIA
ピアス:K18・K18WG・DIA
ラインにはローレットによるミル打ちを施しています。
中石はプンタータ留め。
(ともに リング:K18WG・ダイヤモンド)
これは彫る長さが長かったのが大変でした。ラインにはローレットによるミル打ちを施しています。中石はフクリン留め。
(ブローチ:K18WG・ルビー・ダイヤモンド)
これは二重の円の彫りが難しかったです。ラインにはミル打ちを施しています。中石はプンタータ留め。
(リング:K18WG・ダイヤモンド)
これは曲線が多いデザインなので苦労しました。ラインにはミル打ちを施しています。中石はプンタータ留め。
(リング:K18WG・ダイヤモンド)
3番目のリング中石はオーバルカット。ラインにはローレットによるミル打ちを施しています。
(3点ともリング:K18WG・ダイヤモンド)
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